掻き落とし
2016/5/23

新緑の里山も爽やかな初夏の日差しが差し込んできました。

あかい工房の新たな「場」であるモデルハウスもいよいよ佳境を迎え、外壁の左官工事を進めています。

里山の緑とよく馴染む「そとん壁」を採用しました。

この素材は、南九州高千穂地方に堆積するマグマの天然素材であるシラスを利用しています。その形状はサラサラとした形状で水持ちが悪いため、農業には不向きでしたが、その吸湿、吸着力から現代では天然素材の壁材としての利用が注目されています。

私もシラスの採掘現場に足を運び工程を確認し、実際自分の目で「100%自然素材」であることを確認し、お客様にも安心してお勧めしている素材です。

そんな「原始な土」を使用した完全自然素材の外壁材を、より自然とマッチさせるために工夫を凝らします。

隅々まで塗り終えたシラス壁をぐるぐると円弧を描くように、塗り掻き落としていきます。左官職人の町矢が自身で作った束子大の櫛を使い、絶妙な力加減でより自然に仕上げていきます。

手元を見ていると、櫛だけでなく素材をかき混ぜる鍬の柄も手になじみやすいように、適度に節のある竹をつかって自分の道具にしています。

職人という職業は、道具を見るだけでも、仕事や建築への向かい方が感じられます。

そんな素材や職人の技が呼応する「なんとなく長居してしまう」という『自然さ』。そんな建築をみなさまに体験いただきたいと考えています。