渋い光をまとういぶし銀の瓦を製造する三州地方の瓦工場へ。

愛知県の三州地方の土は、「おとなしい」と担当者が教えてくれる安定している土が特徴。しかし、その良質の土をムラなく一枚一枚製品としての瓦に仕上げていくには、繊細な技術が必要だそう。いぶし瓦は、釉薬を用いずに、瓦を入れた釜の空気をなくした状態にし、炭素を混入させ、いぶす事で炭素が瓦に蒸着することで、鈍い銀色の皮膜が出来る。

その色合いや仕上がりを均等に、そして出来上がりだけでなく、経年後もいい状態を保つ製品づくりが求められる。話を伺う度に瓦づくりへのプライドがうかがえ、信頼の出来る瓦工場だと改めて思えた。

その派手ではないが、いい仕事をするという「いぶし銀」がそのまま当てはまると実感した。