三田市にある光明寺の庚申堂の瓦の吹き替え工事を行っています。その屋根には立派な鬼瓦がありましたが、年月が経ち老朽化も目立つ事から、鬼瓦も新調し吹き替えております。

今回は職人が瓦を一枚一枚、一人で納めていっています。規模もちょうどいい事もさることながら、こういったデリケートな現場では、複数人ですすめるとどうしても少しのズレが出来てしまいます。また、戸建てでは扱う事のない様な貴重な瓦を納めるということで、他の誰にも触らせたくないという職人魂で今回は進めてくれています。その職人のリズムと絶妙な手の動きにより、一人でズレなく進めています。

住職も現場の様子を見に来ていただき、新旧の鬼瓦を見比べていただきました。新しい鬼瓦は、以前の鬼瓦を元にしながらも、にらみをしっかりとデザインしております。夏に鬼師の元にその製作現場を見学に行った、その製作背景をお話し、その出来映えや職人の気持ちに触れ、満足いただけている様子。

以前の鬼瓦は、住職も幼く記憶が無い様な遠い昔の事。今回の吹き替えでは、これからも続いていく寺の未来に向けての足跡を刻んでいきたいと鬼瓦に年月を彫り込みました。