節分を迎え、少しずつ日が長くなってきました。

先日のドイツ視察では、BAU2017と現地の幼稚園などの見学が目的ではあったのですが、やはりそこに佇むドイツの街並み自体が素晴らしいなと感じました。

ミュンヘンからミュンスターに移動しながら視察を行ったのですが、どこに目をやっても「古いものを残す」「古いものに合わす」という意識に支えられた美しさがあります。

それは建物の高さや全体の色使い、素材選びなどの統一性もあるのですが、多少の不便があっても古いものを残そうという意識が素晴らしい。

道路の石畳をよく見ると、小さな砂利が敷き詰められていました。それは冬季の歩行者の滑り止めだという。そしてまた春になると、砂利をとって普段の石畳にもどすとのこと。車も通るからといって単純にアスファルトに敷き変えず、手間をかけてでも石畳を残している。

そして、夜になると日本とは明るさが違う。照明の考え方が違うのだと思うのですが、全体を明るく照らさず、テーブルや壁の一部などのみを照らすのみ。決して明るくはないが、その陰影のメリハリに建物の奥行きを感じ、自然とリラックスする雰囲気になる。

向こうの人の自然にしている意識と日本の今の意識。同じ敗戦から復興した国として少し羨ましくも感じたのが正直な感想です。

ドイツ人は居心地のよさを何よりも大切にしているらしく
「安らげる環境を何よりも優先して考える」とのこと。

ドイツの街並みを見れば、それも納得です

 

私は建築を営むものとして、日本の四季を感じ、安らげるための住宅をつくっていくことを強く感じました。