間近に冬の気配を感じる気候になってきました。かやぶき事務所の朝は冬の冷え込みを感じながら、日々の移ろいを感じています。

この日は三木市の新たな土地にて、これから始まる建築の初めの準備を始めました。

地縄貼りという、建築の基礎となる杭打ちの基準を決定していく大事な作業。

これまで図面上に表現されていた建築を、自然である大地の上に再表現していく地縄張り。

起伏のある自然の中に直線を引いていくことは容易なようで難しく、いくつも仮の杭を打ちながら、方向性を確かめて一つのポイントを決めていきます。

設計図と睨み合いながら、距離と角度を計算しながら試行錯誤をしつつ、一つずつ確実に進めてきます。

目の前に広がる雄大な山々と田んぼの風景。

施主様によるとこの広がる景色は「まるで海のよう」と表現されていました。

これから始まる建築の目の前に大海原がひろがり、稲穂が揺れるたびにさざ波が聞こえる。そんな想像力を働かせながら、これから建築の始まりを丁寧に紡いでいこうと感じて仕事を進めます。