最後の宮大工と呼ばれた西岡棟梁の言葉「盗みとるんや。その人の技量をね。教えられても、よう覚えんもんや。」
最後の宮大工と呼ばれた西岡棟梁の言葉
「盗みとるんや。その人の技量をね。教えられても、よう覚えんもんや。」
現在、在来軸組工法で家を建てる場合、そのほとんどがプレカット加工で行われます。
プレカットとは、大工が柱や梁等、家を建てる際必要な構造材に施す仕事を、
コンピューター制御の大型の工場で全て行い、建て上げてゆく工法です。
一方、手刻みとは大工が構造材に墨付けし、鋸や鉋を使い大工が全ての材料の加工を行い、建て上げる工法です。
今回、大工見習い3年目の植田大工が、大先輩の奈義良大工のもと、
手刻みをする事となりました。
まずは看板板の作成です。
設計図書から、間取りを写し、骨組みを描きます。
この看板板を描くことによって、骨組みを頭に叩き込みます。
大工はこの看板板一枚で墨付から完成まで工事を進めていきます。
そして、木材1本1本に墨壷と墨指し、差し金を使い、墨付けをしていきます。
とても地味な作業ですが、これを基に、手加工していくので、
間違ってると家が建たなくなる、とても重要な作業です。
真剣な表情の植田大工、修行は、始まったばかりです。