神戸市指定景観資源 近世住宅第1号 旧小西家

北区淡河地区の東端に位置する、旧小西家
広い中庭を囲うように2階建の母屋、平屋の納屋、5棟ある土蔵から構成される
旧小西家住宅は淡河地区で最大級の屋敷構えで、
幹線沿いであることから周辺からの視認性もよく
みなさんも目にされた事がある古民家です。

街の景観形成を図る上で特に重要な価値が認められた建築物として、
「神戸市指定景観資源」として指定されました。
歴史あるこの建物を後世へと保存すべく、新しく人々が集う場所へと活用すべく、
改修工事を実施いたしました。

連なる土蔵の漆喰壁は剥がれ落ちていたため新たに真っ白な漆喰で化粧直し。
元々は屋根でひと繋がりになっていた建物ですが、消防法のしばりもあり、
屋根の切り離し工事を行い新たな外壁には焼杉と木製の窓を設置
母屋はベーカリーレストランとして、そして納屋は物販スペースとして
用途変更もして、3つの空間が生まれました。

趣きを残しながら、現代のニーズにあった工事を施す。
だんだんと、古民家が見直され活用される事が増えてきた今日
この小西家も補助金制度の活用もあって、工事が実施されました。

神戸市の古民家に対する制度や考え方が著しく変化を遂げています。
良い方向に動いてる事を喜ばしく思う一方で
法の整備が遅れてる場面にも遭遇します。
登記上の権利関係、都市計画法、消防法などなど。

まだまだ古き良きものを残していく上で乗り越えるべき壁はありますが、
旧小西家の工事は、大きな第一歩ではないでしょうか。