お父さんに「綺麗な屋根になりましたね!」と言うと、
「あんまり目立たんでええねん」と目を細めて。

加東市の離れのリフォームは、昨年末に無事お引渡しが完了。
現在、隣接するご両親の住まわれる母屋のリフォームが進んでいます。

母屋リフォームのメインの一つは和瓦屋根の葺き替え、
伝統的な入母屋造りの外観。
数年前に葺き替えられた離れの瓦屋根と調和する色合いの
“いぶし瓦“

この瓦は、三州の創嘉瓦工業で
耐火性、防水性、耐寒性など耐久性に優れた瓦です。
「行儀がよく寸法精度が高いところがいいんです」
と瓦勘の三代目の柳は言う。オヤジ譲りの受け売りだ。

日本家屋の象徴とも言える、
控えめなその銀色は、華やかな発色こそありませんが、
何とも言えない味わい深い平静さを醸し出しています。

土と炎と炭素から成る“いぶし瓦”は完全な自然素材であり、
年月を重ねるごとに、建物と住まう人たちと共に、
その表情を変えていきます。

瓦工事が終わり、工事は造作工事へ。
窓サッシの入れ替え、和室を洋室へ改装、
神棚や床の間の改装などを行っています。

解体すると一部の柱や掃出し窓の土台となる木材が
経年劣化で腐食しており、新しい木材へと交換し補強。

また、寝室となる部屋は複層ガラス窓に交換し、
床や天井、壁に断熱材を入れ、日本家屋の性能の向上を計ります。

日本家屋が元々持っている良さを壊さず、
そこに新たな付加価値を加えてより良いものへと。
工事が完成する頃には、もっと目を細めてくださる事だろう。