古い建物は造りがいいんですよね。
ただ単に、いいものを残したい。それが使命なのかなと思っています。

第四弾 最終章です。古民家再生工事の価値についてです。

Q建物の状態によっては改修コストがかさむ印象です。

はい、手間もかかれば、やはりお金もかかってしまいます。下手すると新築と同じくらい。
そこにどのような価値を見出せるかということが重要になってくるかと思います。

もちろん予算を聞きながら見積もりをしますが、ドンピシャに収まることはまずないです。
予算オーバーしたところは、うまく補助金を使われたり、DIYをされたりしてやりくりされる方が多いですね。

例えば、屋根の葺き替えや基礎のジャッキアップ、間取り変更、
設備などのハードな部分については工務店の仕事かと思います。
一方で、土壁の左官や壁塗り、床張りなどは施主さんご自身でもできなくはない。
そういった、DIYで「できるところ」「できないところ」を項目分けしたり、
素材のグレードを選べるようにしたりと、見積もりの出し方を工夫するように心掛けています。

実際、「自分たちでやれるところはやります。大枠の修繕だけやってください」といった依頼も多いです。
その辺りはオーナーの想いに応えたいという気持ちで臨機応変にやらせてもらっています。

Q手間も費用もかかる。それでも古民家再生を望まれる方も多いのでしょうか。

残念なことに、年々潰されている物件も多いです。いい建物なのにもったいないなという物件も数々見てきました。
でもやっぱり、古い建物は造りがいいんですよね。ただ単に、いいものを残したい。
それが使命なのかなと思っています。

「古民家を使い続けよう」と押し付けてはいけないけれど、
それでもなんとか再生したいという方がいるなら、どんどん応援していきたいと思っています。