計画パースを見た時、おもわずニンマリした施設が上棟しました。

ウッドショックの中、国産材を多用した休憩施設の上棟です。

日本の、住宅の建築等に使われる木材の7割弱が輸入材である今日、
新型コロナウイルス感染症による影響により、アメリカでは膨大な財政出動と低金利政策が取られた結果、
リモートワークで自宅にこもるようになったアメリカ市民が住宅を郊外に新しく購入したり、
リフォームを行ったりする流れが進み、日本への輸入材不足と高騰をきっかけに国産材へ切り替えられ、
そのあおりを受け、国産材も高騰しております。

しかし、国内林業は労働力不足、市場価格が維持できないなどの構造的な問題や
国産材の性能では代替できないなど、簡単に国産材の供給を増やすことが
難しいという課題を抱えています。

計画通りの工程では入荷未定な輸入材を待つわけにいかず
構造設計を交え国産桧材・杉材に代替案と同時に、早くから材料確保に奔走しました。

桧材は兵庫県産材・杉材は土佐馬路村にて製材乾燥された構造材は加工場に運ばれ、
ドイツのフンデガー社の特殊加工機で曲線を加工されます。

この曲線加工を用いた計画図を見た時は、実績のある「ランバー宮崎」しか、思い浮かびませんでした。

経験豊富なオペレーターに描かれた三次元架構図から転送される加工データは、
登梁やトラスはもちろん、大断面構造の特殊金物接合まで自由度の高い多彩な加工が可能です。

この施設の建築は、今までの経験値や人脈など、その組み合わせにより、
あかい工房だからこそ、出来たことだと思います。