風をまとう入り口 完成しました。
あかい工房の入り口が、このたびリニューアルしました。

もともとの漆喰壁を壊し、茅(かや)を重ねる。
右肩上がりのうねりで、風をまとうような表情のある茅壁が完成しました。

建築的には難しい注文でしたが、それを受けてくれたのが、くさかんむりの“なっちゃん”。
「…考えてみます」と笑って応えてくれたところから、この挑戦が始まりました。
「正直、試されてるなぁって思いました(笑)。でも、こうやってチャレンジさせてもらえることが
嬉しくて。ありがたくて。」




いくつかあった案の中で、最終的に選ばれたのは、
古いブロック部分をあえて残し、新旧の対比を活かすというプラン。

図面はあるものの、現場では職人さんたちとその場その場でセッションを重ねながら、
感覚を頼りに、かたちを仕上げていきました。


そのプロセスこそが、このリニューアルの魅力そのものでした。

仕上げには、シェラックという自然素材の塗料を初めて使用。
バイオリンの艶出しにも使われる、カイガラムシ由来の天然塗料です。
「塗ってるときは夢中で楽しかったです。
でも完成して少し離れて眺めたときに、「やっと自分の作品になったなって、ほっとしました。」
あかい工房の新しい入り口には、
風と時間、職人の技と想像力、そしてたくさんの対話が込められています。
お近くに来られた際は、ぜひゆっくりご覧ください。
風をまとう入り口へ。
