瓦職人「瓦勘」の柳さんと共に、優良な土が産出し瓦文化が発達した東海地方へ。三州瓦の産地高浜市へ向かい、三田市にある光明寺の庚申堂の屋根の吹き替え工事に必要な鬼瓦の作り込みを確認に行く。
鬼師と呼ばれる鬼瓦職人。型枠から作り出していくのではなく、1つ1つ手作業でその表情を作っていく。重要な部分は鬼の目。鬼瓦は屋根に設置するので、すこし目を下向きに向ける事によって、ギロッと睨みつける鬼瓦が出来る。
彫刻にも似たその作業は、美術家としてのそれを思い出すような手さばきである。昔の人々は対となる鬼の顔をあえて、少しずつ変えて作るという粋を楽しんでいたようであった。
細部や全体、そしてふくらみ等、全てが表情になり、その勇ましい表情で邪気を払ってくれる鬼になると感じた。