「この岩肌を眺めながら暮らしたい」——そんな言葉から始まった竜山の家と創業 150年続く伝統の技「松下石材店」を訪ねて。
あかい工房が7年前に建てた「竜山の家」
「この壮大な竜山石採掘跡の岩肌を眺めながら暮らしたい」
そんなお施主様の声から、北向きに開いたリビングを設け、
外構工事では掘り起こされた竜山石を活かして
庭や石を日々の風景として取り込むことになりました。


今では、しっくい壁や杉板の床とともに、
自然のままの石も時を重ねて、家の一部としてしっかり馴染んでおり
新築時の風合いから味わいが増しています。


そんな竜山石を見てみたい。
その思いから、HOUSE for LOCALの仲間と一緒に松下石材店を訪問しました。

竜山石は、古墳時代から採掘が続く歴史ある石。
青・黄・赤の3色があり、それぞれに異なる表情があります。
見せていただいたサンプルは、まるでソーダのような斑点模様が印象的。
現地の丁場(採石場)は、非日常の風景そのもので、
まさに“地層の時間”を目の当たりにするような体験でした。


丁寧に石と向き合い続ける松下社長の姿勢にも、
ものづくりの原点を感じました。


土地から生まれた素材と、そこに暮らす人の想い。
その二つが静かに交わるところに、私たちの家づくりはあります。
どこかで掘られ、積み重ねられてきた“時間”や“地層”のようなものが、
目に見えるかたちで暮らしに寄り添い、
いつしか住まう人の記憶や風景になっていく。
そんな住まいを、これからもつくっていきたいと思う。