三田の家上棟
晴天の中、三田市にある新築住宅の上棟式が執り行われました。こちらは、高知県の木材を使用した二階建て木造住宅です。
上棟記念として、施主様とご家族の方に、これから始まる新しい暮らしへの思いや願いを一本の柱に寄せ書きしてもらいました。皆さん笑顔で其々の思いを書いていきます。
続いて施主様お二人に棟へ上がって頂き、棟木を納めました。無事完成の願いを込めて一打ち。これでお二人が家づくりに参加した証になります。
その後、棟木に幣束を立てお祓いを行い、建物の四隅に酒・塩・米を撒いて清めていきます。上棟の儀の後に施主様からのご挨拶、設計者の挨拶があり、職人さんの紹介や施主様からのご祝儀が手渡されました。家づくりに関わる全員の顔が見えることにより、安心感や信頼感が生まれました。
無事上棟式が終わり一息ついた後は、建築家の和泉屋勘兵衛さんとの打ち合わせ。気持ちも引き締まったところで、今後の計画を綿密に擦り合わせしていきます。
高知の森 伐採の現場
高知県香美市へ移動し、普段では到底通らない様な山深い道を突き進み、土佐の木材の伐採現場に到着しました。荒廃が進んでいる日本の森林率は69%に対して、高知県は84%と多いにも関わらず、職人の手が行き届いた美しい森が広がっていました。実際に伐採するには、森を守る為に配慮された整備計画に基づき、作業が進んでいます。きちんと手をいれて、伐採していく事で、森を守り、山崩れ等の災害等の防止にも繋がります。
その後、南国市に移動し、壁に塗る漆喰の原料となる石灰の伝統工法の塩焼きを見学。徳利型土中竃に石灰岩と無煙炭を交互に投入し、少量の塩を添加して焼成する工程を勉強し、自然素材の奥深さを体感しました。
クラシックコンサート@赤井家
ついに茅葺完成。完成記念と、これまでご協力頂いた方々に感謝の意を込めて、こけら落としとなるクラシックコンサートを開催しました。参加者は、地元、区役所、教育関係の方や、建築関係の方、抽選でご来場頂いた方の総勢100名超の方々にお集り頂きました。演奏はバイオリンとギターのアンサンブル。その音色は茅葺独特の重低音を作り出します。
夜も更けたところで、コンサートは後半に続き、美しい音色が夕暮れに響き渡ります。最後はアンコールで締めくくられて大盛況に終わり、茅葺月間にふさわしいイベントとなりました。
再生には、想像以上の苦難の連続でしたが、沢山の励ましやボランティアの方々に支えられ、本当に感謝の気持ちで一杯です。有難うございました。
三和土(たたき)体験
完成の間近に近づき、茅葺では玄関土間の仕上げを皆の手で行いました。
男性陣がミキサーを使って製造した土を運びこみ、何度もたたいて綺麗にならして仕上げる。この繰り返しを子供達も一生懸命手伝いました。
昼食も皆の手作りで準備して、お腹一杯に。午後からの作業に備えましたが、子供達は用意していた遊びに夢中、その一方大人達は黙々と作業を続け、ようやく土間が無事完成しました。
あかい家再生@屋根工事完成
続いて瓦葺きの工事に着工、ムラも無く落ち着いた鈍い光を放つ銀いぶしの瓦を葺いていきます。
瓦が葺き終わったところで、いよいよ茅葺工事が始まります。
大量の茅を納めていく作業に移り、女性職人も活躍する中ついに頂上まで進みました。頂上付近は作業が難しくなってきますが、一つ一つ丁寧に納めていきます。そして千木を納め、茅を刈り込んで行く散髪などの作業が続きます。
激しく老朽化していた茅葺屋根が青空の下、見事に復活しました。