里山の家の上棟

里山住宅博でのあかい工房のモデルハウスは順調に進んでいます。

3月1日に上棟を行い、完成に向け一つ一つ造り上げています。

上棟の日は少し肌寒い中ではあったものの、朝から天候に恵まれました。

家づくりはチームワークが重要です。あかい工房の家づくりは機械的に工業製品の組み立てのようにいきません。今回のモデルハウスの構造材は減圧乾燥した高知県産材の杉を採用しております。

割れや変色等の高温による劣化を最小限に抑え、材本来の魅力を保った木材で

美しく丈夫な骨組みになっております。

夕方には無事に上棟し、メンバーで屋根の上で記念写真を撮りました。あかい工房の考える『創り手が住みたい家』を皆様に体感いただける日を楽しみにしております。


建築家 福永洋一氏との詰めの打ち合わせ

今回弊社のモデル監修を務める建築家 福永洋一氏との詰めの打ち合わせ。
里山のモデルハウスは「作り手が住みたい家」というテーマで進めています。

それは施工者である私達自身であり、
工事に携わる職人さんや、設計監修の福永氏も含めた、建築のプロが「自分が住
むならこうしたい」という要素を細部にまで突き詰めたいと考えています。


それは素材であり、間取りであり、納まりであり、
コミュニケーションの取り方であります。ここで細部の詰めをしっかりすること
で、モデルハウスにお越しいただけた際に、派手にお迎えすることはできません
が、「うまく説明できないけど落ち着くでしょ!?」という感覚に訴えかけるこ
との出来る『あかいの場』ができると想像しています。


梁の手刻み

里山住宅博の柱や梁になる木材が加工場に届きました。棟上げを前にもう一仕事を加える。今回の里山住宅博に使用する構造材は、プレカット工場でホゾなどをあらかじめ加工指示を行っています。しかし、どうしても刻んだ角の部分などは、機械の跡が残ってしまう部分もあります。

柱梁をそのまま組んでしまうと、ほんの少しその跡が隙間に見えてしまうようなことがあります。その意味のない隙間や角を一つ一つ自分たちの手で刻んでいき、綺麗な仕事に仕上げていきます。

正直に言うと、手で刻み直したことによって、強度が上がるわけでもありません。見た目の問題と言っても、間近に近寄らないと見えない隙間だったりもするのですが、ここに職人としての建築へのこだわりがあると信じています。

ふとその仕事が目に入った時に、細部にまで気をまわして建築を仕上げていっているという意気込みを感じてもらいたいと思い、一つ一つを手で刻んでいきます。


淡河神影工房のお手伝い

広がる山脈と美しい田が広がる神戸の山側。「農」ある暮らしを提案し、活動をつづけておられる淡河神影工房の古民家再生のお手伝いをさせて頂き、その後の様子を伺ってきました。

かつてこの辺りに広がっていた美しい棚田も、放置されていた事により竹に浸食されていた部分を淡河神影工房さんたちの手で、甦りつつあります。これは本当に根気と労力のかかる作業であり、頭が下がる想いです。

農を中心として、人とつながり合う活動を推進される拠点としての、今回の古民家。時には食事や宿泊も出来る様に、またサロンやイベントなどあえて「特に決まった用途がさだまってない」という多様なスペースをストレスなく使える様に改築するのは、難しくもありやりがいに満ちています。

料理で言うところの、いかにも改築しましたという「飾り切り」ではなく、何となく感じる快適さ、風情を残しながら現在の快適性を担保する「隠し包丁」の様な仕事。私たちはプロでないとやりづらいところを担当させて頂きました。これからご自身たちの手が入っていきます。どのような拠点になるかが楽しみです。


淡河本陣の修繕依頼

摂津・播磨の国境の地を占める要地であった神戸市淡河町。

豊臣の時代から市場が開かれ、有馬を目指す湯治客や、参勤交代の大名も利用したとされる湯乃山街道に淡河のまちのシンボルにもなっている淡河本陣がある。

しかし、いまはその立派な姿とは対照的に50年以上も空き家状態が続き、朽ちつつありました。

その歴史的に重要な佇まいの保存と、まちの拠点施設としての復元の活動をされている淡河本陣保存委員会さんから、従来の姿への修繕依頼の声がかかった。

この日はお掃除ワークショップと称して、まちの人による本陣の掃除ボランティア。こうやってまちの人が関わりながら、少しずつ本来の姿に戻る本陣は喜んでいるように見える。

職人でないと出来ない部分を弊社が担当する見積もりをする為に、屋根に上がると、これまで見た事のない様な七福神の瓦。建具も精緻な作りをしている。職人としての士気も高まりつつも、まちの為になる建築工房の本来の姿を考えるいいきっかけになりそうです。


六甲の家

六甲の山手、閑静な住宅街の中に新たな「場」が完成しつつあります。

今回の住宅は弊社モデルハウスである「里山住宅博」の監修も務める福永洋一建築設計事務所の設計。

白くシンプルな空間の中に、実は空間を決定づけるいくつもの「しかけ」が仕込まれている。

たとえば壁と床の見切り。通常は高さ60mmほどの巾木で縁を切るのが通常ではあるが、余分な影や線を出さないように、壁のボード厚み分より少しだけ大きな部材を巾木代わりに先取付けし、縁を切っている。

それは巾木だけでなく、天井のペンダント照明のプラグ部分でさえ、存在を消すように「そっと」存在する様な佇まい。シンプルでミニマルな空間を構成するにはこうした設計側の気遣いと、技術側の見えない手間が必要だと感じます。

今日はその空間を自分の「場」とするべく、杉フローリングに蜜蝋ワックスを施主様自ら施工してもらいました。職人さんに教えてもらいながら、ご自身の息吹を吹きかけるように、フローリングを仕上げてもらいました。

ミニマルな空間に施主様の想いがこもった住宅がもうすぐ完成します。というよりも、ここからが始まりの様な気持ちです。


満願寺

川西の山の麓に佇む紅葉の名所でもある高野山真言宗の満願寺。

本堂でもある金堂の柱の修繕をさせて頂いた事からのお付き合いで、これまでも境内の様々な箇所の修繕などをさせて頂いております。

そして、境内の彩りある景色や、ゆっくりと流れる時間そのものを楽しんでもらえる様な中国茶を楽しめる「かのん」という茶房をオープンされるという事で、境内の建物の一部を改装、増築の工事をさせて頂いております。建物の中にはいると「應」の文字が。住職に伺うと、来られたお客様に「おう!」という挨拶の為に掲げてあるという。

住職をはじめスタッフの皆様も、伝統文化に造詣が深く、遊び心のある方ばかり。畳の紋縁を部屋によって変えて、格を出しながらも、アンティーク家具や置物等で落ち着きながらも、リズム感のある空間に。

また建具の見附も出来るだけ細くして、存在感をなくし、境内のうつろう庭を愛でることができるように配慮しました。今回の茶房の為にトイレも新設し、これまでのいい文化と、快適性の両立を目指しました。

茶房「かのん」は、ひな祭りの3月3日にオープン予定。私も気持ちのいい風と共にゆっくり中国茶を飲みに行こうと思っています。


神影の家

神影という地区が神戸市北区にあります。

車が一台通るのがぎりぎりの山道を抜けると、一件の古民家が現れます。

その古民家は築80年程の大きな住居です。

玄関横の窓柵の古木は、100年以上のもので、

今回の工事でも再利用する事にしました。「解体した家などから、新しい家に使えるものは、使い回して使う。」木材が貴重だった時代の考えです。

ものを大切にし文化を繋ぐと言う事を、改めて考えさせられます。

 

この古民家は、地域の人達と餅つきや料理をしたり野菜などを販売したりできる施設や、棚田整備の活動の拠点になる予定です。

今回、あかい工房は古民家再生のお手伝いをすることになりました。

 

土間部分の棚下に石を敷く為に、ちょうど良い大きさに、ノミを使い手作業で微調整していきます。吉田大工は、この作業を石と建物と対話するように黙々と刻んでいきます。

 

これから沢山の人がここを訪れ、人の笑顔が溢れ、笑い声が響く場所のお手伝いをさせて頂けるのは、私どももとても楽しみです。


里山住宅のモデルハウス

いよいよあかい工房の新たな「場」を体感いただける神戸市北区にある里山住宅のモデルハウスの着工が始まりました。

里山の大地に住宅をしっかり支える為の杭打工事を行います。基礎といわれるだけあって、全ての「基礎」に成るこの工事こそ大切な工程です。

図面を片手に何度も確認しながら、入念に杭を打つ場所に印をつていきます。そしてコンクリートを打設していくと、いよいよ工事の始まりを感じ、身が引き締まる想いが強まります。

 

住むという事は、関係を作るという事でもあります。

これから紡ぐ生活の始まりを大切に作ろうという気持ちで工事に取りかかります。里山住宅の展示場周辺には、すでに住人の方が住まわれていているので、工事中とはいえ、ご迷惑はかけられないという想いで、車は時速20km走行を厳重に守っています。 

完成後の緑溢れる里山住宅を是非ご覧ください。


長年のお付き合い

三木市の大きな空にそびえる三角屋根の大きな個人邸。

壁にある「 焼杉 」は、私の父が庭で焼いたものである。

父の代からお付き合いがあり、今回も塀と門の改修をさせて頂きました。

今では珍しい手刻みで、柱を立てながら慎重に一つ一つ丁寧に仕上げました。

お付き合いで、いつもお野菜を頂き助かっています。

 


建築家と訪問

夏の頃、壁の下地である竹小舞が美しい陰影を編んでいた住宅が竣工し、初めての冬を迎えるという事で、設計を担当した建築家と共に伺った。

平屋建ての新築。どこか懐かしい気持ちさえ感じるこの住宅は、古民家の暮らしをしたいという施主様のご意向によるものでした。暖炉に火がつき、その前でお子様と猫がくつろいでいる姿に目をやりながら、奥様が「この家に引っ越してから、よく寝れる様になりました。」と話してくれました。

動線や設備の事を現代的に考えながら、日本の住宅の良いところを残した「場」は、暮らしを「自然」にしてくれるのだと感じた。