六甲山頂に蘇る昭和モダニズム 「紫映荘」再生物語

2025.08.18
あかいの考え
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六甲山頂に蘇る昭和モダニズム 「紫映荘」再生物語

六甲山の頂上に佇む、築90年の歴史を持つ建物「紫映荘」


かつて太陽鉱工株式会社の保養所として多くの人々に親しまれてきましたが、
時を経て老朽化が進み、2棟のうち1棟は建て替え、もう1棟は改修工事を行う計画が進められました。

この建物は、昭和初期の建築様式「昭和モダニズムマテリアル」を色濃く残す非常に珍しい存在です。
神戸市の六甲山活性化施策を活用し、可能な限り当時の建築様式や家具、灯具を残しながら

リノベーションが行われました。

建て替えとリノベーション、それぞれの役割

建て替えられた1棟は、引き続き太陽鉱工株式会社の保養所として利用。


一方、リノベーションが施されたもう1棟は、宝塚の老舗「百合珈琲」が手掛ける

新店舗 「百合珈琲 六甲山」 として、今春ついにオープンしました。

建て替え棟も、隣の歴史的建造物に調和するよう外観を設計。
古き良き雰囲気を再現し、当時の煙突や暖炉もそのまま残しました。

細部に宿る“昭和の面影”

窓枠や建具は木製のアンティークを再利用。
外壁の丸太貼りは腐食部分を丁寧に修繕し、可能な限り当時の質感を保ちました。

訪れる人は、どこか懐かしく、そして新鮮な「昭和モダニズム」の空気を味わうことができます。

六甲山の自然と、90年の時を経てなお輝く建築美。
「紫映荘」は、これからも人々を魅了し続けることでしょう。