出会いは2年前。代々受け継がれてきた大きな母屋と離れのあるご実家を、2回に分けてリフォームさせていただくことになりました。
第一章:母屋のリフォーム
広々とした母屋は、長年の暮らしが刻まれた大切な住まい。
「全部を変えるのではなく、必要な部分だけ手を加える」という方針で計画が進みました。


課題は「耐震性」
大規模な耐震補強は現実的でない中、日常を過ごす寝室のみを重点的に補強。
安全と安心のバランスを大切にしました。

三田市は寒暖差が大きく、冬の寒さも厳しい地域。
断熱材にはセルロースファイバーを採用し、快適さを向上。
床材はすべりにくく足触りの良いコルクタイルで、あたたかくやさしい空間に仕上げました。

第二章:離れの再生
母屋の工事がひと段落すると、今度は離れのリノベーションへ。
元は農業用倉庫だった建物を、新たな住まいとして再生させます。

在宅ワークをされているご主人の仕事部屋は、母屋の空き部屋を活用。
近くで現場を見守っていただけたことで、打ち合わせもスムーズに進み、
細部まで丁寧に仕上げることができました。

離れは天井が低く、構造材が表しになっていた建物。
そのままでは圧迫感が出てしまうため、高さを確保しながら存在感ある“地松の梁”を
アクセントとして活かす方法を何度も打ち合わせました。
見せる・隠すのバランスを丁寧に整えた空間は、まさに唯一無二です。
奥様のこだわり × ご主人のこだわり
1階はぐるりと回遊できる間取り。
いくつもの動線が交差し、住む人の使いやすさを追求した“高回遊型”のプランは、奥様の強いご希望でした。


一方、ご主人の夢だったシアタールームは、断熱材でしっかりと囲み、防音性を確保。
音響配線にもこだわりが詰まった、特別な空間に仕上がっています。

引き渡し後は、第三章の物語へと続く
建物のお引き渡しが終わった後も、外構工事は引き続き進行中。
住まいの内と外が整うことで、暮らしの風景はさらに豊かになっていきます。
