外壁仕上げと職人の意気込み
初夏の風が気持ちの良い天気がつづいています。
この日は甲山を望む家の現場で、里山モデルの外壁と同じ「そとん壁」の仕上げ作業です。
そとん壁は「シラス」でできている素材です。
シラスとは「シラス台地」のシラスで、マグマが岩石となる前に粉末になった物質で、鹿児島・宮崎の南九州が産地です。
見た目の美しさのみならず、機能性も優れており、厳しい環境でも劣化しない高耐久性を持ち、かつ、退色や劣化がありません。
ですから、塗り替えや張り替えなどのメンテナンスは不要なこともあり採用していただきました。
今回は、土の自然な風合いを引き出す「引きずり」という木コテを使った仕上げを採用することになりました。
その自然なその風合い保ち続けるために、下地材をコテで塗った後に、ひび割れ防止のファイバーネットを伏せ込み、またその表面を均した後に箒で横目をつけることで、仕上げ材の活着性を高めます。
そして、仕上げ材を塗って「引きずり」の仕上げをします。
均した表面を木コテで引っ掻くように模様を出していきますが、簡単に見えるこの作業も、仕上げができる職人になるまで10年はかかります。
30年以上の熟練の技を持つ「チームあかい」の左官職人ではありますが、その都度違う自然素材の仕上げを「自分の家ならどうしたいか?」と自分に問い掛けながら外壁を仕上げていきます。
施工前には、仕上がり見本を作り、実際の仕上がりを施主様にも確認いただいてますが、
「この面ならこう仕上げたほうがいい」と考えコテを動かします。
自然素材でムラがあるからこそ、職人としての感性と「自分の家ならどうしたいか?」という責任感のもとに仕事を進めることが大切だと考えています。