「神戸市指定景観資源」ってご存知ですか?
神戸市では、「神戸市都市景観条例」基づき、都市景観の形成を図る上で
特に重要な価値があると認められた建築物等を
「神戸市指定景観資源」として指定しています。

江戸末期に建築されたとされる農家住宅
小西家住宅の保存活用改修工事が着工。

淡河町の幹線道路沿いに建つ気品ある母屋を中心に、
付属する納屋と連続する土蔵などで構成され、
この地域でも最大級の屋敷構えを持つ歴史的な建物です。

小西家も、2023年8月に「神戸市指定景観資源」として指定されました。

このお墨付きをもらうと、「景観形成助成」の対象となり、
建築物などの外観意匠の修繕工事などを行う際に
助成を受けることができ、今回もその補助金が活用され、
外壁の漆喰補修や焼板貼りなどの工事が進行中。

これまで全36棟の建築物が景観資源として指定されています。
その建物たちも、洋風の近代建築から茅葺民家までと様々。
異文化が交流する町として栄えた港町神戸の景観と、
北区や西区を中心とした田園風景が残る里山神戸の景観がある
神戸らしい助成制度だと思います。

そして、こういった歴史的な建築物に価値を見出し、
自治体が助成を行う制度があることは
市民にとってもとても心強いことであり、
何よりその街独自の歴史ある景観が保全継承されることは
大変意義のあることかと思います。

この工事では「里づくりの拠点施設等整備支援事業」という
助成制度の活用もあり、内部の耐震化やトイレの改修工事など、
この建物に新たな魅力を生み出す工事が進みます。

このような助成制度が他の自治体にも広がり、
魅力ある街づくりに活かされることを切に願って。

設計:才本建築事務所 https://www.saimoto-arc.com/