月の見える家 上棟

高知県馬路村から旅立った構造材との再会。

月の見える家が上棟の日を迎えました。

 

冬の澄んだ空気の中に香る土佐の杉材。

金づちで木を打つ心地よい音。

気持ちいい冬晴れの空の下、柱や梁が順番に組み上がっていきます。

 

だんだんと形になっていく姿は、空の青を背景に、秋が通り過ぎ冬を迎えようとしている遠くの山々を背景に美しく映えます。

 

上棟の最後にはお施主さんご夫婦に2階まで上がって棟木を掛矢で打って収めて頂きました。

 

棟木を打つパパとママ。

いつも優しく見守ってくれているパパとママを今日は子供たちが下から見守ります。

 

これからの工事の安全を願い、無事に1日を終えた現場。

気持ちも新たに工事が進みます。


岡公会堂 

神戸市の最北部に位置する長尾町。

 

私の生まれ故郷であるこの町は、小高い丘に囲まれ、のどかな田園風景が広がっています。

 

北区にはいくつかの公会堂がありますが、長尾町の中心部に位置する岡地区の公会堂の工事が基礎工事まで進んでいます。

 

約1年前の焼失という出来事を乗り越えて、この度、再建されることになりました。

 

神戸市の助成金制度の支援もあり、工事は一歩一歩、進んでいます。

 

地域の方々の交流の場となっていた場所。

一緒にその歴史を積み上げてきたこの場所が、新しく歩みを進めています。

 

地域みんなの心をつなぎ、笑顔を結ぶ場。

今とこれからをつなぎ結ぶ場。

今と未来を刻んでいく場。

 

年末の上棟の日に向けての作業が、今日も進みます。


台風の爪あと

高低差のある道路から、長いアプローチを歩いていくと、そこには庭の木々が来る人を優しく迎えてくれるお宅があります。

 

2年前に施工させていただいた、「木々に囲まれた家」

 

ここには何種類もの木々があります。

その中の、玄関のそばにツゲの木が、この秋の台風の影響で傾いてしまったという連絡を受け、現場へ。

 

自然のままの木々たちと共に住める我が家を…というご希望で、工事が進んでいく間もこのツゲの木のまわりに迂回路をつくり、完成後は根を傷めないようにデッキで浮かせた

りした、この木。
いつも優しく迎えてくれ、どっしり構えて現場を見守ってくれてました。

 

かなり傾いていたこの木を、ゆっくり、優しくジャッキアップして、ほぼ回復できました。

 

ここに住むご家族や、ここを訪れる人たちに、毎日、お迎えとお見送りの言葉を送っているツゲの木。

この時は、ありがとうと言ってくれたようにも感じました。


月の見える家 土佐杉視察

まもなく上棟の日を迎える、「月の見える家」

柱や梁の構造材を視察するため、お施主さんご家族と一緒に高知へ行ってきました。

 

土佐杉のふるさと、高知県馬路村。

何本もの木が製材・乾燥・加工されて、現場の大工さんの手に渡る。

いろんな人たちが携わり、1本1本にたくさんの人の愛情が込められています。

 

そんな木で出来上がる我が家。

 

加工場を訪ねた時、ちょうど、今回の建築で使う木材が加工されて出てきたところでした。

我が家の建築に使う材木が現場に運ばれる前に、こんな風に住む方に出会えるのはタイミング的にすごく珍しい事です。

 

「現地で、自分たちの構造材に会えたことがとてもいい思い出になりました。家づくりの中でのストーリーがまた一つ出来ました」と言ってくださったお施主さん。

ここで、人や木、物に出会い、家を支える木にも興味が湧き、愛着も出てくるだろうな…と今後の家づくりも楽しみにされています。

 

新しい我が家へと旅立つ木に絵を描いてくれたお兄ちゃん。

この絵の描かれた木に姫路の現場で会うのが楽しみです。

 

愛情いっぱいに育てられた木。

愛情いっぱいに製材、加工された材木たち。

 

お施主さんの愛と、現場のみんなの愛とで迎える上棟の日はもうすぐです。


そとん壁と外付けブラインド

私たちあかい工房が多くの建物に採用している仕様に、高千穂シラスのそとん壁と外付けブラインドがあります。

 

そとん壁は、マグマが岩石になる前に粉末になった「シラス」という火山灰を使った壁で、その美しい風合いはとても魅力的です。

見た目の美しさに加えて調湿性や断熱性にも優れ、耐久性も高く、メンテナンスがほぼ要らない素材と言われています。

 

外付けブラインドは、夏には強い日差しを遮り、室内の温度上昇を防ぎながら心地よい風を運んでくれます。また、冬には室内の暖かさを外に逃すことなく、太陽のぬくもりを取り込んでくれます。日本に古くからある「よしず」や「すだれ」にも共通する仕組みで、日本の気候風土にベストな日射対策と言われています。

 

 

ブラインドを通る風、気持ちいい日差し、柱や壁の心地いい肌触り。

 

深呼吸してホッとしたり、その素材に触れて気持ちが落ち着いたり、時には、その息づかいを感じることもあります。

 

自然素材は住む人を毎日違う顔で迎えてくれます。

年月を重ねれば、さらに深みを増した表情になります。

 

日々違う表情を見せてくれる住まいは、今日も明日も、そして、何十年先も心地いい。


トライやる・ウィーク

今年もトライやる・ウイークの時期になりました。

 

今回も神戸市立北神戸中学校から3人の生徒があかい工房へ職場体験に。

 

過去に来た生徒は、茅葺の現場や、ファームサーカスでの作業をしてもらったのですが、今年はベンチ作りを体験してもらいました。

 

作業は全て手作業。

慣れない鋸でなかなか真っすぐに切れない木。

釘を曲げずに打つのも至難のわざ…。

 

何とか時間内で完成させて持って帰った彼ら。

なかには、5日間かけ製作した愛情たっぷりなベンチを部屋の中に入れている生徒さんもいました。

 

3人それぞれが気持ちを込めて作り上げたマイベンチ。

 

知らない大人と交わり、慣れない作業に苦労したこと。

どんな風にすれば綺麗に仕上がるかを考え、思うようにできた時の喜び。

そして、ベンチが完成した時の達成感。

 

いろんなことを感じながら取り組んでくれた5日間だったと思います。

 

写真はその作業風景。

 

これを機にもの造りの楽しみを深め、将来の仕事選びのひとつになれば嬉しく思います。