ヨーロッパ気まぐれ旅 後編

BAU 2019視察の後、早朝からICEに乗車し、ベルリンに移動。

2006年サッカーワールドカップにあわせる形で開業したベルリン中央駅に到着した。

ドイツの首都と言うだけあって、最先端の建物が立ち並ぶ。それらを横目に、旧東ドイツ周辺を散策。

崩壊したベルリンの壁は、今は至るところでオブジェとして飾られているが、建物を見るだけでも、東西ドイツの経済格差が感じられる。

もし日本も同じように分断されていたら、という思いが頭を過った。

旅も終盤にさしかかり、アムステルダムでは、ゴッホ美術館や国立美術館で、17世紀の黄金時代を今に伝える芸術遺産を鑑賞。

最後に立ち寄ったのは、美術、音楽、演劇など、さまざまな芸術の世界的中心地、パリ。

パリの魅力は、どこを切り取っても絵になる街並み。

 

海外では、建物を、「もの」ではなく、「住空間」として扱い、イグジスティングハウスとして、生活者とともに成長する空間として考える。

古民家再生が増えてきた今日、景観や街並みと調和した建物を、今後も提案していきたい、と思ったヨーロッパ紀行のお話は、これで完結。


目神山の瓦家 土佐視察

まもなく着工の日を迎える、「目神山の瓦家」
柱や梁の構造材の視察のため、今回も、お施主さんご夫婦と一緒に土佐へ行ってきました。

初日の夕方に訪れた「高知県林材株式会社」。
真っ直ぐで色目が良く、主に構造材に適していて、
古くは京都二条城や江戸城の築城にも用いられたと言われている土佐杉
そんな土佐杉や、土佐桧などが集まる材木の市場。
横たわる大木の年月を重ねた美しい年輪に思いを馳せながら、
次の日、土佐杉のふるさと、高知県馬路村へ
幾度となく訪れてる「馬路林材加工共同組合」
いつも笑顔で迎えていただき、木の香りと共に、居心地の良さを感じる場所。
現地でしか分からない事、そんな新たな発見を、
心躍らせながら興味深々に聞かれてたお施主さんご夫婦。

土佐の人と木のぬくもりが伝わったと実感できた視察旅行でした。
あいにくの寒い雨でしたが、桂浜で龍馬に会い、
お施主さんご夫婦の終の棲家に対する想いをお聞きし、
ますます身の引き締まる思いです。
この気持ちを胸に「目神山の瓦家」着工いたします。

1本1本の材木に込められたたくさんの愛情を引き継いで。


ごはんやさんキモリ 着工

豊かな自然が広がる神戸市北区淡河町。

今年に入り、青空の下でご家族揃っての地鎮祭を執り行い、オーナーが育たれたご実家の納屋や蔵が、
「ごはんやさんキモリ」へと変貌を遂げようとしています。

設計は、以前からお付き合いのあるeu建築設計さん。

納屋の土壁の解体に始まり、再利用できる古材を最大限、活用する。

古材は、木材本来の美しさがあるだけでなく、骨組みに使われてきた期間に、生み出された強度と味わいがあると同時に、しなやかさがあります。

この故郷ならではの自然の風景
木材本来のしなやかさ
オーナーがスイスで磨かれた感性
この美しさが一つになった時、
「ごはんやさんキモリ」
として生まれ変わります。


家と暮らし【竜山の家】アップしました。

澄んだ空気が漂う、健やかな住まいに。

そんな願いが込められた「竜山の家」ができました。

「家と暮らし」よりご覧いただけます。


竜山の家 竣工

ご自身の生まれ育った場所に、木の家が完成しました。

「竜山の家」

お施主様が訪れたストーブ専門店であかい工房を紹介していただいたのが3年前。

打ち合わせに加え、土佐へ構造材の視察に行き、乾燥技術を見ていただいたり、庭の成長を楽しむためにも、ご自身で植栽の選定に若生植木農園へも足を運んでいただきました。

澄んだ空気が漂う、健やかな住まいに。そんな願いが込められた「竜山の家」
外壁の仕様は、
2万5千年前の大噴火で堆積した火砕流でできた、そとん壁。
建物のファサードには、掘削した際に出た竜山石を再利用しました。

床は杉板。
壁天井はしっくい。
そして、薪ストーブと素足。

経年変化が楽しめる竜山の家は、
いろんな素材に見守られながら、この地に、根付いていきます。