岩園の家の上棟式

梅雨の晴れ間、夏本番を思わせる強い日差しの中、芦屋岩園での上棟を行いました。照りつける太陽の中、職人さん達はお互いの体調や安全に気をつけるよう声をかけながら作業をしております。

家の形が少しずつ見えてくる中、2階で大工達が慎重に構造材を組んでいく下では、福永氏と今井監督と詳細な納まりの打ち合わせ。この建築にとって最適な仕事を考えます。

昼すぎからご家族がお集まりになり、いよいよ上棟です。

いつも棟木はお施主さん自身で納めていただきます。結婚式のケーキカット以来の2回目の協働作業ですと言ってます。

今回はお兄ちゃんがクレーン車に乗り、それを応援する妹たち、ご両親が掛矢で棟木を納める家族一同参加の棟上げです。

お兄ちゃんは、「楽しかった」と嬉しそうにみんなに感想を言ってくれ、家づくりに参加してもらうことの大切さを改めて実感しました。

福永先生の挨拶でもあった今できる最高の仕事、悔いのない仕事を心がけ、

設計者、施工者チーム一丸となりこの「岩園の家」の完成を目指します。


「里山住宅博in KOBE」グランドオープン

過日6月11日に弊社モデルハウスも参加する「里山住宅博in KOBE」がグランドオープンいたしました。
計画から1年が経ち、地元工務店による木の家の住宅博がお披露目です。これまで様々な建築を行ってきた弊社として、まだ見ぬお客様にどのよう「場」をお見せ出来るかと試行錯誤した結果として生まれたコンセプト。

それは『つくり手が住みたいと思う家』という新たな「場」づくりでした。
これまで施主様とのsessionの中で生まれてきた数々の建築、今回はモデルハウスということもあり、私たちつくり手であるあかい工房や設計、職人たちが自ら惚れ込むような家づくりをしたいという決意で進めてまいりました。

一見他と同じように見える数々の仕舞いが、「これが空間を引き締めている」と思える細部になるように手間をかける。
里山の緑と共鳴する建築としての立ち姿や、こだわり抜いた自然素材を体感して何故だか長居してしまうような場づくり。

建築工房としての込めた想いが伝わり、同業の仲間からもたくさんの共感をいただき心が震えました。
これから期間中、みなさまにも「あかいの新たな場」を体感いただけることを楽しみにしております。


里山の外構に一手間

里山住宅博のオープンが週末に控え、いよいよ弊社のモデルもラストスパート。建築は完成し、緑あふれる里山と建築をつなぐ外構の施工に着手。

今回の里山住宅博のは百年集落をつくるというコンセプトのもと、閉じた外構ではなく、開かれつつも適度な距離を保つ混植生垣やアースワークがあります。

あかい工房として、もっと自分たちの建築に手を入れたいと思い、私や棟梁自ら「手間」をかけて、新しい場を作り上げます。

近場で採石した石を敷き詰めるのですが、割石をただ並べるのではなく、形を見ながら一つ一つ組み合わせてより自然に。そして駐車場としても使いやすく敷き詰めていきます。

また、家のまわりに割石を積み上げた石の間にも自然に見えるようにツルを巻き、道との間にも割石をそっとリズムよく。

背景に広がる里山という自然と向かい合うからこそ、一手間を加えてより「自然」を感じられる場所にしたいと考えています。


大学生と版築壁造り

里山住宅博でのモデルハウスは、外構工事の最初として、入り口の顔になる『版築壁』を関西学院大学の都市政策学科の皆さんにもお手伝い頂きました。

 

版築というのは古来から伝わる技法で、地層のように土を突き固めて強固にして土塀や建物の基礎に使われているものです。

 

その工程は真砂土と石灰を練り混ぜたものを型にいれ、入れた土の半分の高さになるぐらいまで木の棒でついて固めていきます。

型を濡らしては材料を入れ、棒でつつく。その作業を何度もなんども硬くなるまで繰り返します。

単純な作業ですが、本当に力の要る作業です。

おやつには、棟梁が震災支援でお世話になった熊本から届いた水々しい美味しいスイカをみんなで頬張りもう一仕事。

 

終盤には学生さんたちもだんだん板につき、なんとか完成に漕ぎ着けることができました。もう皆さんへとへとでしたが、型を外し完成した時の喜びもひとしおとなりました。

最後に鉄製の笠木を取り付けるとみんなで造った版築壁も『GOOD』引きしまるでしょう。

この壁の「地層」が自然と共に里山の家を見守ってくれると思います。


掻き落とし

新緑の里山も爽やかな初夏の日差しが差し込んできました。

あかい工房の新たな「場」であるモデルハウスもいよいよ佳境を迎え、外壁の左官工事を進めています。

里山の緑とよく馴染む「そとん壁」を採用しました。

この素材は、南九州高千穂地方に堆積するマグマの天然素材であるシラスを利用しています。その形状はサラサラとした形状で水持ちが悪いため、農業には不向きでしたが、その吸湿、吸着力から現代では天然素材の壁材としての利用が注目されています。

私もシラスの採掘現場に足を運び工程を確認し、実際自分の目で「100%自然素材」であることを確認し、お客様にも安心してお勧めしている素材です。

そんな「原始な土」を使用した完全自然素材の外壁材を、より自然とマッチさせるために工夫を凝らします。

隅々まで塗り終えたシラス壁をぐるぐると円弧を描くように、塗り掻き落としていきます。左官職人の町矢が自身で作った束子大の櫛を使い、絶妙な力加減でより自然に仕上げていきます。

手元を見ていると、櫛だけでなく素材をかき混ぜる鍬の柄も手になじみやすいように、適度に節のある竹をつかって自分の道具にしています。

職人という職業は、道具を見るだけでも、仕事や建築への向かい方が感じられます。

そんな素材や職人の技が呼応する「なんとなく長居してしまう」という『自然さ』。そんな建築をみなさまに体験いただきたいと考えています。


熊本での活動報告

先日4月28日より5月5日まで、熊本の被災地にて活動をしてまいりましたご報告をさせていただきます。

現地に感じたことは支援の手がまだまだ足りないという事です。ボランティア活動を受け入れる側も、すべての被災地に支援をまわす事が難しいようすでした。

そんな中、私たちは棟梁が大学時代に過ごした地域を重点的に回らせていただき、被災による生活の不便の解消をできる限りさせていただきました。

2度の震度7クラスの地震を受け、被害をうけた建物の応急処置や空調室外機などの補修、救援物資の仮置き場の建設など、大工としてできる事、目の前の事を一つ一つ行ってきました。しかし、まだ全然足りていません。後ろ髪を引かれるような思いで、熊本を後にしました。

この想いは、後ほど改めてしっかりと報告させていただこうと思っております。

また、弊社の思いに賛同いただき、物資のご支援や義援金を頂いた方々、本当にありがとうございました。

義援金に関しては、支援物資購入の他、現地での活動のための金物や木材調達にも利用させていただきました。その収支報告は改めて、ご報告させていただきます。

 

義援金を託していただいた方 25名(個人法人含む) 合計408,000-円

救援物資を託していただいた方 22名(個人法人含む) カセットコンロ・飲食品・ブルーシート・など

 

 

改めて御礼申し上げます。

想いを胸に建築を通して、日々の活動を行っていきます。今後とも宜しくお願いします。

 

赤井一隆

赤井敏貢


六甲山頂での上棟

山道を抜けると一気に眺望が開ける絶景のロケーションが広がる。

 

新緑がまぶしい季節になり、自然界の植物も動物も冬の寒さを耐え、暖かな春を迎えました。このプロジェクトも春を待ち工事を開始し、本日ここ六甲山頂に上棟いたしました。

 

 

季節は4月下旬、山頂にはまだ桜が残る中、これ以上ない天気で上棟を迎えることができました。国立公園である六甲山での現場は、樹木の扱いや電気の確保一つとっても一筋縄ではいかない中、チーム一丸となって用意周到に進めてまいりました。

 

棟が上がるとそこに広がる景色は、明石海峡まで望む大パノラマ。

改めて兵庫の自然を満喫できる住宅になると確信しました。

アトリエ空一級建築士事務所の澤木先生と細部の納まりや仕上げの確認をしながら、周囲の自然と共鳴するような住宅になるよう改めて気を引き締めました。


新緑生い茂る苦楽園の山麓に佇む住宅

新緑生い茂る苦楽園の山麓に佇む住宅。建物自身は他社で建てられたのですが、緑豊かなロケーションと共に「畑がしたい」という施主様のリクエストにお応えして、畑のある庭を施工させいただきました。

単なる庭づくりでなく、四季の変化を見ながら2.3年かけてゆっくりとやって行きましょうとお話ししています。この日は、テラス周りの相談や近くの小川のお話しなど。
下草まで光が差し込みよう自然の木を剪定し、風景に溶け込ますこと。ご自分でやってみてもどこか不自然であったり、石を置いても同じように・・・難しいものです。

私も生け花や茶道を通じて、ようやく自然さを表現できるようになってきたつもりですが、利休の言った「花は野の花のごとく生け」そこにある花はまるで野に咲くようにと、華やかにするのはいいけど、肝心なものが物足りない。
ほんと難しいから面白いんです。
爽やかな木漏れ日の中「自然にはかないませんねぇ」と二人揃ってゆっくりとうなずいていました。


熊本地震の支援物資についてのお願い

あかい工房より皆様にお願いです。
先日ブログに書かせていただいた通り、28日より家屋の片付けなどを含むボランティア活動として熊本に入ります。
多くの方からご連絡をいただきましてありがとうございます。
現在、マスク、軍手、ガスコンロ、ガスボンベ、鉄板などの支援をいただいております。重ねて御礼申し上げます。

現地の友人と連絡を取り合い、下記の物資が不足しているという情報が入りました。

ブルーシート
竹ほうき
ビニール手袋(衛生のため)
ビニール袋
アルコール除菌
栄養補助食品
オムツなどの生理用品

何よりも、小回りの効くバイクがあると、避難所に行けない方たちへの直接援助に役立つとの事でした。

食料は手に入りやすい状況になってきたようですが、お年寄りやお子様の多い地域では、まだまだ混乱が続いているようです。

27日までに当社事務所にご連絡いただけましたら、被災地に届けに参ります。
〒651-1512 兵庫県神戸市北区長尾町上津4217
電話番号 078-986-5348
どうぞ皆様のお力添えよろしくお願いいたします。


熊本地震について

このたびの熊本地震により被災された多くの方々には心よりお見舞い申し上げます。
また、一刻も早い復興を心から祈念申し上げます。

この度、チームあかいとして、少しでも復興のお手伝いとして出来ることをと考え、倒壊した家屋の片付けなどに参加させていただく所存でおります。
弊社 赤井敏貢が学生時代、熊本にて学ばせていただいた事もあり、当地にはたくさんの友人知人がおります。その方だけでなく、たくさんのお世話になった町の方にも、いま持てる時間と経験を費やさせていただきたいと思いました。
4月28日から5月6日まで、熊本にて活動をしてまいります。
友人などと連絡を取り合いながら、本当に必要な物資を届けたいと思っております。25日に弊社webのnewsにて、発信いたします。
ご協力いただける方は27日までに弊社事務所にお届けいただけますと嬉しいです。また義援金、同行してボランティア活動をしていただける有志の方も若干名募集しております。
どうぞご理解、お力添えをいただけますよう、よろしくお願いします。

有限会社あかい工房 代表取締役 赤井一隆  棟梁 赤井敏貢